スポーツ用マウスピースの費用と注意点

 

前の記事で紹介した通り、マウスガードには数多くのメリットが存在します。
一口に「マウスガード」といっても様々な種類があるので、目的や予算に合わせてチョイスしましょう。
作製を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

主な種類と費用の目安

大きく分けると、マウスガードには3種類あります。
特徴や費用を理解した上で、適切なタイプを検討しましょう。

1.オーダーメイド式

歯科医院での検査を経て、患者さま一人ひとりの歯型に合った装置を作製するタイプです。自分自身の歯型にフィットするので、違和感が生じにくく、歯や歯茎への負担を軽減できるのが大きな魅力です。
ただ、基本的に保険が適用されないのが懸念点です。全額自己負担となるため、相場は1万~5万円と少々高めです。

2.準オーダーメイド式

前述したタイプと同様、自分自身の歯型をもとに装置を作製します。オーダーメイド式と唯一異なる点は「キットを用いて患者さま自身で作製する」つまり「一度完成すると、微調整ができない」という点です。
もちろん患者さま自身の歯型を取っているので、違和感が出るケースは少ないです。しかし、つけてみたときに何らかの不具合が生じても、作り直しには原則として費用がかかるので注意しましょう。
専用のキットは、通販サイトで購入可能です。取った歯型を指定された宛先へ送付すれば、完成品が後日届くというプロセスです。
歯科医院へ行く必要がないため、手軽に作れるのが嬉しいポイントです。費用の相場は1万~3万円と、選ぶメーカーなどによって大きく異なります。

3.既製式

さらにお手軽なのが、市販されている既製品を使うという選択肢です。形がある程度作られた状態で販売されているので、購入後は熱で柔らかくして歯型を取れば完了です。
中には500円程度で手に入るものもあり、予算がある方に適しています。
ただ、このタイプのマウスガードをつけて激しい運動をすることはおすすめできません。既製品が歯型にぴったりとフィットする方は、まずいないためです。
歯に合わない装置をつけて激しい運動をすると、ずれたり息苦しくなったりしてスポーツに集中できません。日常的に使う場合は、できればほかのタイプを選びましょう。

 

マウスガード使うときの注意点

使用時の注意点を、いくつか紹介します。

1.むし歯に注意する

装置をつけると、口が少しだけ開いた状態になります。スポーツ選手の装置が目立ちやすいのは、そのためではないでしょうか。
口が閉じ切らないと、口腔内が乾いて細菌が繁殖しやすい環境になります。むし歯リスクが高まるので、注意してください。
使用中は定期的に水を飲んで、積極的に口を潤しましょう。使ったあとも、市販の口内洗浄液やブラッシングでケアすることがポイントです。

2.装置を毎回手入れする

我々の口の中には、数百種類もの細菌が常在しています。個数にすると、なんと1,000億個以上なのだとか。
そのような環境でつけていた装置を、外してすぐに保管すると細菌はあっという間に繁殖します。例えばカンジダ菌が装置に移って繁殖すると、次回つけたときに口腔内がカビまみれになる恐れがあります。
専用のブラシと流水で汚れを除去し、市販の洗浄剤を用いて殺菌してください。入れ歯用の製品で構いません。
使用後はそのまま保管せず、毎回丁寧に洗浄して清潔ない状態をキープしましょう。

3.熱湯で洗浄しない

マウスガードの多くは樹脂製であるため、洗浄や殺菌のときにお湯を用いると変形する可能性があります。熱湯に浸けたり煮沸消毒をしたりせず、水やぬるま湯で洗うことを心がけてください。

 

歯を守るためにぜひ使いましょう!

練習中や試合中などの事故で歯を失くしても、健康だった歯は元に戻りません。
何かあってから後悔することがないよう、激しい運動をするときはマウスガードを装着しましょう。
タイプによって特徴や費用が違うので、見比べて慎重に検討することが重要です。
ほかの2種類に比べて使いやすさは劣りますが、まずはリーズナブルな既製品タイプをつけてみるのも一つの選択肢です。ただ、自分自身の歯にフィットさせて歯を保護したい方にはオーダーメイド式が最適です。
手間や費用はかかりますが、歯科医院で作製してもらってください。自分だけで判断できない方は、かかりつけ医に相談してみるというのもよいでしょう。

田島デンタルオフィス