スポーツ用マウスピースで口内を守ろう! 通常用との違いと驚きの効果5つ【前編】
スポーツ用マウスピース?
サッカー選手や野球選手が、歯に白い装置をはめて試合している姿を見たことはありませんか?
あの装置の正体は、自分自身の口腔内を守る目的ではめている「スポーツ用のマウスピース」です。
一体どのような効果が期待できるのか、基本の使い道や製作費用の目安などとともに紹介します。ご自身や家族など、身近にスポーツをしている人がいればぜひ参考にしてください。
1.様々なトラブルから身を守ってくれる
試合中は、ボールや身体のぶつかり合いで突然ケガをする可能性があります。装置をつけていれば、そのようなトラブルから身を守れるでしょう。
「歯は硬そうだから、ぶつかっても多少は大丈夫じゃない?」と思う方も多いかもしれませんが、考え方はその逆です。
強い衝撃をきっかけに、歯が自分の口腔内や他人を傷付ける恐れがあるのです。硬いとはいえ、スポーツの種類によっては、足や腕が顔に当たって歯が破折するリスクもあります。
ちなみに装置をつける人が年々増えているのは、装着を義務付ける種目が徐々に増加しているためです。自分自身あるいは家族が何らかのスポーツをしている場合は、必要性について検討してはいかがでしょうか?
色々なアクシデントから、大切な歯と体を守りましょう。
マウスピースをつけていれば、そのような事故から口腔内を守ることができるのです。
2.通常のものと何が違う?
スポーツ用のマウスピースは、樹脂製のものが多く「マウスガード」や「ガムシールド」とも呼ばれています。ガムのように柔らかいことが、呼び方の由来になっているのだとか。
歯ぎしりの改善や歯列矯正に使われるものも「マウスピース」と呼ばれており、同様に歯を守る役割を果たします。
しかし両者には、次のような違いがあります。
2-1.装置の厚みやクッション性
歯ぎしりの改善に使われる装置は、強い負荷がかかっても耐えられるような構造をしています。就寝を妨げないように1~2mmの薄さで、かつ硬いのが特徴です。一方でマウスガードには、クッション性の高い素材が使われています。
3~5mm程度と、比較的厚みがあるのも特徴です。
強い衝撃を受けても、クッションのような働きをして歯を守ってくれるでしょう。
2-2.つけるタイミング
前述した2種類の装置は、目的に合ったタイミングで付けることが大切です。一方の装置を併用することはできないので、注意してください。
歯ぎしり対策の装置を試合中につけると、強い衝撃に耐えられず破損する恐れがあります。またマウスガードを装着して寝ると、厚みがあって深い眠りにつけないと思います。
どうしても作製費用がかかってしまいますが、2種類のマウスピースが必要な場合はそれぞれ作製してもらいましょう。
3.マウスガードをつけるメリット
装着することで、次の5つのメリットが期待できます。
3-1.前歯の保護
練習や試合のときに、ボールや道具が当たったり、選手同士がぶつかったりすると歯は容易に折れます。
神経が損傷した場合、抜歯を余儀なくされることもあるため要注意です。インプラントやブリッジといった補綴治療が必要になると、治療費用や通院回数がかさむという難点もあります。
3-2.粘膜や舌の保護
何かがぶつかったときに、口腔内の粘膜や舌をうっかり噛む恐れがあります。スポーツのときではなくとも、実際に経験したことがある人もいるのではないでしょうか?
スポーツの際に受ける衝撃は、日常生活で受けるものとは比にならない強さです。最悪の場合、舌を噛み切ったり頬に穴をあけてしまったりするケースもあります。
3-3.奥歯の欠損防止
悪習癖の一つに「食いしばり」があり、これは強い力が入ったり、物事に集中したりしたときに起こります。奥歯同士に強い力がかかると、欠損する恐れがあるので注意が必要です。折れるまではいかなくとも、徐々に欠けて先端が尖る可能性もあります。
また他人の足や腕などが顎に当たった衝撃で、奥歯が破折する恐れもあるので注意してください。
3-4.歯や歯茎への負担軽減
練習中や試合中に歯を食いしばった際、負荷がかかるのは奥歯だけではありません。ほかの歯や歯茎にも少なからずダメージがあり、それが続くとグラついたり欠損したりする恐れがあります。
3-5.脳震盪の予防
何らかの衝撃を受けて、頭部へ外力が加わると脳震盪を起こす可能性があります。中でも、顎を下から突き上げられるようなダメージには要注意です。顎関節に衝撃が直接伝わると、頭部がグラついて脳震盪を起こす可能性があるのです。
予防効果に関しては立証中の段階ですが、マウスガードを装着することでダメージをある程度軽減できるのは事実です。万が一のことを考えれば、装着しておいた方がよいでしょう。
今回はここまでです。
次回は、マウスガードの種類について詳しく説明します。