そもそも口内炎とは?

頬の内側を始め、舌や歯茎、喉の奥といった口腔内に起こる炎症の総称をいいます。
原因として挙げられるのは、主に次の4つです。
原因を突き止めることで治療や予防に役立つので、ぜひ知っておいてください。

 

1.物理的な刺激

矯正装置や義歯が口腔内を刺激し、粘膜が傷付いて炎症を起こすパターンです。
熱いコーヒーやお茶を飲んで火傷をしたときや、食事の際に誤って頬を噛んだ場合にできるものも、このタイプに該当すると考えてよいでしょう。

 

 

 

2.カンジダ菌

真菌の一種であるカンジダ菌は、口腔内に常在しています。悪さをすることは通常ありませんが、口腔内が乾いたり免疫力が低下したりすると炎症を起こします。

3.アレルギー

歯の被せ物や詰め物、義歯の金属などによってアレルギー反応が起こる場合があります。そのときに炎症を起こし、口内炎ができる場合があるでしょう。

4.その他

栄養の偏りや日頃のストレスが原因になることもありますが、はっきりとしたメカニズムは解明されていません。
ですが可能性の一つとして、1~3の原因に心当たりがない場合は生活習慣や精神的理由を疑うのがよいでしょう。

注意すべき口内炎とは?

カンジダ菌由来の炎症には注意が必要です。
これが原因で起こる炎症には赤くなるタイプと白くなるタイプとがあり、両方が混在することもあります。
赤い炎症は患部がヒリヒリとする場合もあり、耐えがたい痛みが生じます。症状が舌に出て粘膜の奥まで感染すると、治療後も味覚障害や痛みなどの後遺症が出る可能性があります。
2週間以上、あるいは広範囲に症状が出ている場合は早急に医療機関を受診しましょう。歯科もしくは口腔外科で診てもらうのがおすすめです。

すぐに治らない場合は…

通常は、普段通りの生活をしていれば2週間程度でよくなります。それ以上様子を見ても症状が改善されないときは、ほかの病気を疑いましょう。
がん患者全体の割合で考えると症例は少ないですが、口腔がんの可能性もゼロとは言い切れません。
数ヶ月経ってもよくならないにも関わらず、放置しているといったことがないよう注意しましょう。
口腔がんの7つの特徴を紹介するので、今後の参考にしてもらえれば幸いです。

・自然治癒しない
・白色と赤色のできものが混在している
・デコボコとしていて硬い
・舌が赤っぽくただれている
・舌の表面にしこりがあり、ザラザラとしている
・歯がグラグラとしている
・歯茎に腫れや出血が見られる

これらの症状は、上顎や歯茎、舌の裏側に生じることもあります。心当たりがある方は、医療機関を早めに受診してください。

 

口内炎との見分け方

口腔内に炎症が起こったりただれたりした場合に、まさか自分が「がん」だとはきっと思わないはずです。
確かに口内炎であるケースが圧倒的に多く、心配しても杞憂に終わる場合が大半です。ただ、口腔がんの初期症状である可能性も捨てきれません。
患者さま自身が症状だけで判断するのは困難なので「2週間以上治らない」「7つの特徴に複数該当する」といった場合は、早めに医療機関を受診してください。

田島デンタルオフィス