皆さんは「Eライン」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。「エステティックライン」のことで、横顔の美しさを示す基準の一つとして用いられます。美容に興味がある方は、よくご存知かもしれませんね。
近年は「口ゴボ(出っ歯など、横から見たときに前歯が突出している状態)」といった言葉も浸透し、横顔を気にする方が増えています。いずれも美容外科で使われることが多いですが、当院でも患者さまから多く相談を受けるようになりました。

「Eライン」と呼ばれるのはなぜ?

横顔を見たときに、鼻と顎とを結んだ直線を「Eライン」といいます。口先がEライン上もしくは、Eラインよりも若干内側へあるというのが、理想の形とされています。
鏡を使ってセルフチェックをしようとすると、少し難しくありませんか?
鏡を使わなくとも、人差し指を鼻先と顎先へつければ簡単にチェックできます。唇が人差し指に当たらない、もしくは軽く触れる程度の場合は理想的なEラインです。あくまで一つの基準として、試してみてはいかがでしょうか。

Eラインは歯列矯正でキレイになる?

Eラインを実現するには、これまで美容外科で顎や鼻の高さを修正するという方法が一般的でした。しかしEラインを提唱したのは、なんとアメリカの矯正歯科医であるロバート・ケリッツ氏です。
「歯列矯正=歯並びを整える」というイメージの強い方が多いかもしれませんが、実際は噛み合わせにもアプローチし、横顔のバランスや口元の審美性も整えます。審美性と機能性の、両方を改善できるのが歯列矯正というわけです。

不正咬合との関係

横顔の見た目に悩んでいる方は、受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)であるケースが多いです。顎のラインが外側に出ている場合は前者、口元が外側へ出ている場合は後者に該当する可能性があります。
見た目だけでなく噛み合わせにも問題があり、機能面で支障をきたしているかもしれません。
歯列矯正を行う場合は横からのレントゲン写真(セファロ)を撮影し、頭部と口元のバランスを確認します。

セファロからわかること

横からレントゲン写真を撮影することで、次の4点が評価できます。
1.顎の形状
2.顎のサイズとズレ
3.歯の傾斜角
4.頭部に対して口元のバランスがどうなっているか
規格と照らし合わせ、改善すべき場所や方法を模索します。そこから治療計画を作成し、治療を開始する流れとなります。
患者さまのレントゲン写真をもとに治療をするので、正しい噛み合わせと美しい見た目の両方を実現することが可能です。

歯列矯正について

抜歯を伴う歯列矯正でEラインに配慮します
重度の症状でなければ、歯並びや傾きを整えるだけで改善できます。しかし重度の不正咬合があり、美しいEラインにこだわる場合は抜歯を行い、歯を並べるためのスペースを確保しなければなりません。また突出した歯がある場合は、抜歯をすることで後方へ下げられるようになります。

せっかくの健康な歯を抜くということに、抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。しかし症状によっては、抜歯をすることで、理想の歯並びを手に入れると同時に機能性も向上させられます。日々の食事やブラッシングがしやすくなり、口腔内を清潔に保てるというメリットもあります。
場合によっては非抜歯で治療できることもありますので、まずは一度かかりつけ医へご相談ください。
田島デンタルオフィスでも、さまざまな方法で歯列矯正を行っています。患者さまの希望をお伺いした上で適切なご提案をしますので、歯並びや噛み合わせを整えたい方はぜひ一度ご来院ください。

歯科矯正用アンカースクリューとは?

「矯正用アンカースクリュー」というチタン製の小さなネジを、歯槽骨へ埋め込みます。そこを固定源にし、歯を少しずつ移動させるという歯列矯正の一種です。
今までは外科手術やヘッドギアの装着を必要とした症例も、この方法を用いることによって通常の装置で治療できるようになりました。
出っ歯の方は抜歯が必要になることもありますが、口元の見た目の改善が期待できます。

自分の横顔にお悩みの方へ

日本人を含め、東洋人は一般的に平坦な顔立ちをしています。ホリが浅く、鼻が低めで顎が小さいと言えば、わかりやすいのではないでしょうか。
そのため口元が突出しやすく、顎の大きさの問題で出っ歯になりがちです。
Eラインがアメリカで提唱されていることを考えても、欧米人の顔立ちが基準となっていることがわかります。また美しさに基準はなく、感じ方に個人差があることも事実です。
それでもやはり、自分自身の見た目が気になる方はいらっしゃるでしょう。特にEラインで悩んでいる方は、不正咬合や滑舌の問題といった機能面の悩みも併せ持つケースが多いです。

田島デンタルオフィスでは、このような悩みをお伺いした上で適切な治療計画を作成します。治療へ取り掛かる前に患者さまへ丁寧に説明し、納得いただいた上で開始しますのでご安心ください。

お困りのことがあれば、ぜひ一度来院いただければと思います。

田島デンタルオフィス