前回は、舌苔を放置するリスクについて紹介しました。
効率的に取り除くには、あるポイントを押さえることが大切です。予防法とともに、記事の中で詳しく解説します。

 

 

 

 

歯科医院を受診すべきタイミング

前回お伝えした通り、舌を見ると全身の健康状態がある程度わかります。
歯科医院を受診した方がよい舌苔のサインを紹介するので、鏡を見ながらセルフチェックしてみてください。

1.黄色っぽくなっている

舌苔が白色以外の場合、全身に悪影響が生じているかもしれません。「黄苔(おうたい)」といって黄色に変色している場合は、発熱や水分不足などによる胃腸障害が考えられます。歯科医院や内科を早めに受診してください。
ちなみに、コーヒーやタバコによって一時的に着色することもあります。ご自身で見極められない場合は、医療機関で診てもらいましょう。

2.黒っぽくなっている

細菌の繁殖を抑える抗菌薬などを長期間服用していると、口腔内の菌のバランスが崩れて舌の表面にある突起が異常な長さになります。そして舌苔が黒く変色する「黒毛舌(こくもうぜつ)」になる場合があります。
これは黄苔よりも悪い状態であり、体力が消耗しているときにもみられる症状です。

効率的に取り除く方法

ここからは、舌苔を効率的に取り除く方法を2つ紹介します。
まず前提として、舌苔は適切な方法で磨かなければ落とせません。プラークと同じで、洗口液やうがいでは完全にきれいにならないので注意しましょう。

1.舌ブラシを併用する

歯ブラシで磨くと、刺激が強すぎて舌を傷付ける恐れがあります。表面や毛が柔らかく作られている、市販の舌ブラシを併用して舌の汚れをやさしく取り除きましょう。ヘラタイプとブラシタイプとがあるので、好みのアイテムを探してみてください。困ったときは、かかりつけ医に相談するのがおすすめです。

2.音波歯ブラシを活用する

歯だけでなく、舌もきれいにできるのが音波歯ブラシです。舌専用のヘッドが付属もしくは別売りされているはずなので、確認して購入しましょう。
ヘッドの突起が舌の隙間に入り込んで、汚れを浮かせる仕組みです。磨くときに手で細かく動かす必要がないので、短時間で効率よく落としたい方に適しています。
ただヘッドを強く押し当てたり、長時間使用したりすることはNGです。1回あたりの使用時間は約20秒に留め、3回程度にわけて実施しましょう。

舌苔の付着を防ぐためには?

舌がきれいになったら、その状態をキープすることが大切です。お口だけでなく全身が健康であるためにも、次に紹介する方法で予防に励んでください。

1.口腔内を清潔に保つ

舌苔は複数の細菌や細胞の死骸、食べかすなどが混ざったものです。日々の口腔ケアで口の中を清潔にできれば、舌苔の量はグッと少なくなるでしょう。
まずは正しいブラッシング方法を身につけて、歯に付着したプラークや食べかすを極力取り除いてください。
口腔トラブルの大半は、口の中が不衛生であることが原因です。もし何らかの疾患にかかっても、口腔状態がよければ一気に進行することはまずありません。

2.口の中が乾かないように努める

日頃から口腔内が乾いており、唾液分泌量が不足していると感じる方はいらっしゃいませんか?
心当たりがある方は、次の方法で改善を図りましょう。

保湿剤を正しく使う

口腔内が乾いていると感じる人は、口に使える保湿剤を使うのがおすすめです。ジェルやスプレー、洗口液などさまざまなタイプの製品が流通しており、口腔内の水分量を一定に保つ役割を果たします。
ただ、複数の製品を使えば高い効果が得られるという考えは誤りです。あくまで唾液腺をマッサージするときの、潤滑油として用いるのみに留めてください。
どのタイプの製品を選んでも構いませんが、困ったときはかかりつけ医に相談しましょう。

まとめ

舌苔について、理解していただけたでしょうか。
歯は悪くなってから治すというより、予防に努めて健康でいることが基本の考え方です。適切なケアを行い、舌苔を溜めないよう気を付けましょう。
適切な口腔ケアの方法やアイテム選びに困ったときは、かかりつけ医に相談してみてくださいね。

田島デンタルオフィス