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クリーニング時に起きる痛みや出血について
普段歯が健康的でトラブルがない場合には、クリーニングを行っても出血や痛みが少ないと考えられます。一定の出血や痛みは、綺麗になっている証としてクリーニングにはつきものですが、どの様な場合に痛みや出血を伴うのでしょうか。まずは、起こり得る症状について具体的にご紹介いたします。
知覚過敏の症状
知覚過敏は、エナメル質が薄くなっていたり、傷が付いていることによって、神経の通う象牙質にダメージが伝わりやすくなる病気を指します。強く付着している歯石を除去すると、エナメル質の表面も少しは剥がれるので、知覚過敏の症状を引き起こしてしまうケースがあります。エナメル質は時間の経過と合わせてミネラル分が再形成され修復(再石灰化)しますので、知覚過敏の症状は徐々に解消されてきます。
歯茎後退の症状
歯周ポケットの深くに存在している歯石を除去した後には、周りの歯茎が緩んでしまうことがあります。これは時間の経過とともに改善され、やがて歯茎が引き締まります。それに合わせて、歯茎が衰退したように見える場合もあります。健康な状態の歯周ポケットは、深さが1ミリから2ミリ程ですので、歯茎が改善され歯周ポケットが浅くなっていると、歯茎が下がって見えます。
クリーニング時の痛みや出血の原因
口腔内が悪い方は、クリーニングで出血や痛みが出やすいと言われています。そして、歯のクリーニングでは出血が起きて、強い刺激が生じることもあります。歯茎に腫れがある場合や、固まった歯石などが原因になっているからです。出血や痛みの原因をご紹介いたします。
エナメル質の損傷
プラークが固まり、歯石となってから長期間放置していた場合には、歯石を取り除く時に、エナメル質の表面を剥がしてしまうケースもあります。損傷したエナメル質は、自然に再石灰化(ミネラル分の再生)されて、1日から数日程度で改善しますが、その期間、しみるような痛みが生じることがあります。歯周ポケットからの歯垢の除去
プラークがミネラル分や血液などと混じることで、歯の表面に石のように付着してしまうのが歯石です。つまり、セルフケアでプラークが除去できない部分には、歯石が形成されやすく歯の隙間や歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)などに歯石が出来上がります。特に、歯周ポケットが深くなり、その奥に歯石が形成された場合には、除去する際に出血や痛みを伴うことが多いです。
クリーニング時の痛みや出血を軽減する方法
ご紹介したように患者様によっては歯のクリーニングでは痛みや出血が出る場合もありますが、事前に準備をすることでそれを軽減することも出来ます。クリーニング前後の対処法についてご紹介します。
クリーニング前
経験豊富な歯科衛生士さんへ依頼する
クリーニングで起きる痛みや出血は、歯周ポケットの深さや歯石の状態によってどうしても避けられない場合もあります。ですが、クリーニングの経験豊富な歯科衛生士さんであれば、このような痛みを少なくすることができる可能性もあります。
歯石が固まる前に除去する
定期的に歯科医院でクリーニングをすることが、痛みや出血を軽減させる最善の方法です。歯石は、プラークがミネラル分と結びついて形成されたもので、早い場合には48時間程度で完成します。その状態を放置してしまうと、より強固になるので、歯石が柔らかいうちに定期的に掃除をすることがベストです。
クリーニング後
知覚過敏用の歯磨きで緩和
知覚過敏の症状は、クリーニングで一時的にダメージを負ったエナメル質が自然に回復することで、徐々に解消されていくものです。フッ素配合のジェルで再石灰化を促したり、知覚過敏用のブラッシングで知覚過敏を緩和することも出来ます。
丁寧なブラッシング
普段から刺激のある飲食物を遠ざけて、やさしいブラッシングを心がけましょう。歯周ポケット内の歯石を歯科医院で取り除いた後は、一時的に歯茎が緩み、痛みがでる可能性があります。歯茎は次第に引き締まって自然に痛みが無くなりますが、強い痛みが長期間続いたり腫れや発熱が起きた際には、すみやかに歯科医院に相談するようにしてください。
2023.12.30
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歯の白さの基準ってあるの?ホワイトニングの白さについて
歯の白さが際立つ欧米人や芸能人に憧れて、歯の白さを出来る限り極めたいと思う方もいらっしゃるでしょう。ただし、やり過ぎたホワイトニングでは、反対に、白さが際立ちすぎて不自然な結果になるケースも考えられます。一体どこまでが自然で、どこからの白さが不自然なのでしょうか?
今回の記事では、ホワイトニングの方法や自然な白い歯の白さについてご紹介します。
ホワイトニングの方法について
ホワイトニングの効果について
濃度の高すぎるホワイトニングでは、不自然な白さになってしまう可能性もあるので、1度に2段階から4段階程度アップできるものを選ぶのがお勧めです。歯科医院で施術するオフィスホワイトニングでは、一気に白さを上昇させるものもあれば、2回から3回程度の施術でA1に近づけるもの、1回の施術で1段階から2段階程度の白さをアップするものなど幅広くあります。
自宅でホワイトニングを行う場合
ホームホワイトニングとは、専用マウスピースを使用してホワイトニング剤を自ら毎日塗布するものです。オフィスホワイトニングと比較すると、薬剤の過酸化水素濃度が低いので、白くなるスピードは早くないですが、急に白くなってしまうリスクがなく、元の歯の色に戻る(後戻り)も少ないです。
毎日約2時間塗布して、2週間から4週間程度ホワイトニングを継続できれば、4段階程度は白さを向上させることができます。
歯科医院でのクリーニングについて
歯の表面の着色汚れであるステインやタバコのヤニなどを除去するだけであれば、歯科医院で提供するクリーニングでも十分に綺麗になります。特別なクリーニング装置を使ったPMTCと言われる歯石除去や、パウダーを混ぜた強い水流を使ったジェットクリーニングなどが行われます。
元々の歯の色が白い場合か、もしくは、ホワイトニングで白くなっている歯であれば、表面の汚れをクリーニングだけで、自然な白さが蘇ります。
自然な白い歯ってどのくらいの白さだろう
ホワイトニングによって白くし過ぎて不自然に見えるケースも考えものですが、どのくらい白いと不自然で、どのくらいまでなら、自然で美しい白さなのでしょうか。この様に白さの目安を具体的に知る上で役に立つのが、歯の白さを段階で表すシェードガイドです。シェードガイドは様々メーカーから色々タイプのものが出ていますが、今回の記事では世界的に広く親しまれているVITAシェードガイドをベースにして、歯の白さについてご紹介いたします。
VITAシェードガイドについて
VITAシェードガイドとは、ドイツのVITA社で制作されたシェードガイドで、歯の白さの基準となる色味を、16段階の明るさで表現しています。各色の名称は下記に示す通りで、左側の値になるにつれて明るくなっていきます。
B1、A1、B2、D2、A2、C1、C2、D4、A3、D3、B3、A3.5、B4、C3、A4、C4
このアルファベットの意味は、色の系統を表しています。赤系をA、黄色系をB、グレー系をC、ダークブラウン系をDで表しています。同じアルファベットでは、数字が小さい方が明るくなります。ですので赤系の場合、明るい順にA1、A2、A3、A3.5、A4という順に並びます。さらに、AからDまでの全ての色を明るい順に並べ直すと、この順番になります。
日本人に合う歯の白さについて
日本人の一般的な歯の色は、A3かA3.5と言われています。A3であれば、シェードガイドでは9番目の明るさになる為、A3.5であれば12番目の明るさということになります。シェードガイドの中では、それほど明るくはありません。
それと比較すると、A2でも十分に明るい印象を相手に与えますし、自分自身でも白さを実感することが出来ます。そしてA1であれば、誰が見ても、自然な印象になり綺麗で美しい白さとなります。
ホワイトニングに挑戦する場合は、まずはA2、そしてA1を目指しましょう。これ以上白くしてしまうと、逆に不自然に見えてしまう可能性が大きくなります。
2023.12.20
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虫歯の治療費の相場を知り早期に治療をしよう
今回の記事では虫歯の治療費にかかる相場や保険適応外の治療をご紹介いたします。
事前に治療の知識を知って安心して歯科医院へ行きましょう。
初診の際にかかる費用
まず最初に虫歯があるかも含めて、歯科医院で歯の状態を正確に把握しましょう。そこで虫歯が見つかった際は、どのような手順で治療をするかを
歯科医師と共にスケジュールを決めていきます。施術内容の希望は、治療費をできる限り安くしたい、外見が綺麗になるならお金は少し高くても大丈夫など
様々あると思います。それによって治療費も増減していきます。
病院によって初診の金額は変わる場合もありますが、保険適応があり3割の負担で約4,000円程必要になります。
患者様の状態によっては、初診時は検査の代わりに痛みに対する対応だけという場合もあり、2回目の通院時に検査診断の費用を支払う場合もございます。
治療にはどれくらいの費用がかかるの?
治療の方法には、保険が適用されるものと保険が適用されないものの2種類がございます。
まずは、保険が適用される場合の治療費をご紹介いたします。
保険適用の治療費の例
治療にかかる費用をできる限り抑えたい方は、保険が適用される治療を推奨しております。
例えば被せ物や詰め物が銀色になることが一般出来です。
1本分の費用の相場(保険適用の3割負担の金額)
被せ物の奥歯 → 約3,000〜4,000円
被せ物の前歯 → 約5,000〜8,000円
プラスチック素材の詰め物 → 約1,500〜2,000円
病院によって差がある場合がありますが、上の費用の相場で本数を増やすと必要な費用が出てくると思います。
また、保険が適用される治療ではなく、治療の希望を細かく設定して保険適応外の素材に変更することも出来ます。
例えば、人から見える場所に関しては保険適用外の治療、人から見えづらい箇所に関しては保険適用の治療といった分け方です。
次に保険適応外の治療方法についてご紹介いたします。
「歯を失うリスクを少なくしたい、銀では無く白い歯が良い、虫歯になりにくい素材を使いたい、機能性(噛む等)を重視したい。」
・・・こんな場合には、保険適応外の治療を選択する事になります。保険適用外の治療法の例
保険適用外の治療法を希望する方の要望は、例えば、少しでも歯が無くなる可能性を低くした、銀歯は入れたくない、素材にこだわって虫歯になりにくくしたいなどです。
この様に、患者様毎に希望の内容は違うので、保険適用外の治療に関しては特に費用の差が大きなります。
事前に訪問するクリニックの治療の方向性や治療費、素材、クリニックまでの交通費などを確認して、最適な条件のクリニックを選ぶことが大切です。
もし、治療費の事前確認が出来ていないと想像以上に支払いが高くなってしまったり、交通費が沢山かかってしまったなど、後から問題が発生する場合があります。
保険適用外の代表的な治療法は大きく5つに分類できます。
・ホワイトニングで歯を白くする
・歯並びを整える歯列矯正
・無くなった歯を復元するインプラント
・虫歯を治す治療
・歯周病や虫歯を予防する為のクリーニング
違和感を感じたら早期に歯科検診へ行こう!
口腔内に違和感を感じていても放置しておくと、虫歯が進行してしまい最終的に必要な金額が多くなってしまいます。
例えば、虫歯が進行し過ぎて神経に関わる治療をする場合は、それに伴って治療費はどうしても高くなってしまいます。
早期に歯科検診をして治療費を安く済ませましょう。
他にも虫歯を放置しておくと下記の様なデメリットが生まれる可能性があります。
・虫歯が想像よりも進行しており痛みが酷かった為、麻酔が効かずに結果として通院回数が増えた
・治療を早急に進める必要が出てしまい、会社を休むことになってしまった
・治療の時間が虫歯が進行していた為に長くなり、予定していたスケジュールが間に合わなくなった
2023.12.10
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歯周病治療の前提となる歯周病検査とは
健康な歯と歯茎は美しい笑顔と口腔機能の要ですが、歯周病という進行性の疾患が進行すると、その基盤が崩れてしまう可能性があります。歯周病は、歯茎や周囲の組織に炎症を引き起こす疾患であり、早期発見と適切な治療が不可欠です。本記事では、歯周病治療の前提となる歯周病検査について詳しく説明します。
歯周病の進行と治療の必要性
歯周病は、歯垢(プラーク)と歯石(タータル)が歯と歯茎の接触面に沿って蓄積し、歯茎の炎症を引き起こす疾患です。初期段階では歯茎の腫れや出血が見られ、これが進行すると歯槽骨の破壊や歯のぐらつきなどが現れることがあります。歯周病は進行性であり、放置すると歯を失う原因となることがあるため、早期の治療が重要です。
歯周病検査の種類
歯周病の治療を開始する前に、歯周病の状態を正確に把握するために歯周病検査が行われます。以下に主な歯周病検査の種類を紹介します。
- 歯周ポケット測定: 歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間の溝の深さを測定することで、歯茎の健康状態を評価します。深い歯周ポケットは歯周病の兆候であり、その深さに応じて治療の計画が立てられます。
- 歯茎の状態の観察: 歯科医は歯茎の色や腫れ、出血、退縮などを観察し、歯周病の進行度や治療の必要性を判断します。
- 歯科レントゲン: レントゲン撮影によって歯の根部や歯槽骨の状態を評価し、歯周病の進行度を確認します。
- 歯周病関連バクテリアの検査: 歯周病の進行には特定のバクテリアが関与しています。歯科医は歯周病関連バクテリアの存在や量を検査し、治療計画を立てる際の情報源とします。
歯周病治療のステップ
歯周病検査の結果に基づいて、適切な治療計画が立てられます。治療のステップは以下の通りです。
- プロフェッショナルクリーニング: 歯垢や歯石の除去を専門の機器で行うプロフェッショナルクリーニングが行われます。これによって歯茎の炎症が軽減され、進行を抑える助けになります。
- 歯周ポケットの清掃: 歯周病が進行して歯周ポケットが深くなっている場合、歯科医は特殊な器具を使用してポケット内の歯垢や歯石を除去し、感染を抑えます。
- 歯周外科手術: 歯周病が進行して歯茎や歯槽骨の再建が必要な場合、歯周外科手術が行われることがあります。これによって歯の支持状態を改善します。
- 定期的なフォローアップ: 歯周病治療は一度だけで終わるものではありません。定期的な歯科検診とクリーニングを受けることで、病状の監視と早期治療が行われます。
まとめ
歯周病治療の前提となる歯周病検査は、歯茎と歯の健康を正確に評価する重要なステップです。歯周ポケットの測定や歯科レントゲンなどの検査を通じて、歯周病の進行度を把握し、適切な治療計画を立てることができます。歯周病治療は早期段階から始めることが重要であり、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアの習慣を保つことで、歯と歯茎の健康を守ることができます。
2023.11.30
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歯周病の治療ってどんなことをするの?
健康な歯と歯茎は、美しい笑顔と口腔機能の基盤です。しかし、歯周病が進行すると、歯茎や周囲の組織に影響を及ぼし、最終的に歯を失う原因となります。歯周病は予防が重要ですが、進行してしまった場合の適切な治療も必要です。この記事では、歯周病の治療について詳しく探ってみましょう。
歯周病の概要
歯周病は、歯周組織(歯茎、歯槽骨、歯根膜)が炎症を起こす疾患で、最初は歯茎の軽度な腫れや出血として現れることがあります。進行すると、歯茎から離れて歯槽骨が破壊され、歯がぐらつく状態になることもあります。歯周病は症状が進行する前に早期に治療することが重要であり、定期的な歯科検診が推奨されています。
歯周病の治療法
歯周病の治療は、症状の程度によって異なりますが、以下に一般的な治療法を紹介します。
- 歯磨きと歯間清掃の指導: 歯周病の原因の一つは歯垢や歯石です。歯科医は適切な歯磨き方法や歯間ブラシの使用法を指導し、歯周病の進行を防ぐための正しい口腔ケアを促します。
- プロフェッショナルクリーニング: 歯垢や歯石を専門的な機器で除去するプロフェッショナルクリーニングが行われます。これによって歯茎の炎症が軽減され、進行を防ぐ助けになります。
- 歯周ポケットの清掃: 歯茎と歯の間にできる歯周ポケットは歯周病の進行に関連しており、歯科医は特殊な器具を使用してこれらのポケットを掃除し、感染を抑えます。
- 歯周外科手術: 歯周病が進行してしまった場合、歯茎や歯槽骨の再建が必要なことがあります。歯周外科手術は、歯周組織を修復し、歯を支える健康な状態に戻すために行われます。
- 抗生物質の処方: 一部の症例では、歯周病の進行を遅らせるために抗生物質が処方されることもあります。ただし、これは特定の状況に応じて行われるものであり、一般的な治療法ではありません。
定期的なフォローアップと予防
歯周病の治療は一度だけで終わるものではありません。定期的な歯科検診やクリーニングを受けることで、歯周病の進行を監視し、早期に対処することが重要です。また、適切な口腔ケアや健康的な生活習慣の維持も歯周病の予防につながります。
まとめ
歯周病の治療は、症状の進行度に合わせて様々な方法が用いられます。早期の段階での診断と適切な治療は、歯と歯茎の健康を維持するために不可欠です。歯周病の治療に関する情報は歯科医との相談を通じて正確なアドバイスを受けることが大切です。健康な口腔環境を保つために、定期的な歯科検診と適切なケアを心がけましょう。
2023.11.20
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インプラントの痛みはどのくらい?痛みが出る時期や対処法について
歯の喪失は、外見だけでなく口腔機能や自信にも影響を与える重要な問題です。そのため、多くの人々が歯の再建を検討する中で、インプラントが一つの選択肢として注目されています。しかし、インプラント治療における痛みに対する懸念は、多くの患者にとって重要なポイントです。この記事では、インプラントの痛みに関する疑問点を解消し、痛みが出る時期やその対処法について探ってみましょう。
インプラント手術後の痛み
インプラント手術後には、通常軽度な痛みや腫れが現れることがありますが、これは一般的な反応であり、多くの場合は数日から数週間で軽減されます。手術後の痛みは、麻酔が切れることによるものや、手術部位の組織への刺激によるものがあります。痛みの程度は個人差があり、人によって異なりますが、通常は軽い痛みであり、鎮痛薬や氷の利用によって緩和できることが多いです。
インプラントの融合過程と痛み
インプラント手術後、人工歯根(インプラント)は顎の骨と融合する過程が始まります。これはオッセオインテグレーションと呼ばれ、新しい歯がしっかりと定着するための重要なステップです。この過程中にもわずかな痛みを感じることがありますが、一般的には軽度です。痛みが強い場合や持続する場合には、歯科医に相談することが重要です。
インプラント装着後の痛み
インプラントがしっかりと融合した後、人工歯を取り付けるプロセスが行われます。この際にも痛みを感じることがあるかもしれませんが、多くの患者は短期間の軽度な違和感程度で済むことがほとんどです。歯が噛み合わせや咀嚼の際に違和感を引き起こす場合は、歯科医に調整を依頼することができます。
インプラント治療の痛みの対処法
インプラント治療における痛みを軽減するためには、以下の対処法が役立ちます。
- 鎮痛薬の使用: 手術後や融合過程中の軽度な痛みに対しては、処方された鎮痛薬を適切に使用することで痛みを和らげることができます。
- 氷の利用: 腫れや炎症を軽減するために、手術部位に氷を数分間置くことが効果的です。
- 適切な食事: 手術後は柔らかい食事や液体食を摂ることで、口の負担を軽減しましょう。
- 適切な口腔ケア: 歯磨きやうがいは歯科医の指示に従って行い、感染を防ぐための口腔ケアを適切に行いましょう。
- 定期的なフォローアップ: インプラント治療の経過を歯科医と共に確認し、異常があれば早めに対処することが大切です。
まとめ
インプラント治療における痛みは、個人差がありますが一般的に軽度で、適切な対処法によって和らげることができます。手術後からインプラントの融合過程、装着後にかけての痛みについて理解し、適切なケアをすることで、歯の再建に伴う痛みを最小限に抑えながら、美しく機能的な歯を手に入れることができるでしょう。必要な情報を歯科医と共有し、安心して治療に臨むことをおすすめします。
2023.11.10
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ホワイトニングの際に気を付けるべきことは?
黄色くなった歯を白くする方法として注目されているのがホワイトニングです。ホワイトニングの効果を保つためにも、術後のメンテナンスは大変重要です。中には、メンテンナンスを怠ったばかりに、後悔されている方もみえます。今回の記事は、実際にホワイトニングを行った方がどの様なことに気を付けるべきかを紹介しています。
ホワイトニングの施術前・施術後について
ホワイトニングを行う方の多くは、失敗を気にされてホワイトニングの施術をするのではなく、自分の歯が白くなることを期待して施術を受けられると思います。その中でも、ホワイトニングの施術に後悔を頂く要因の多くは、施術前の承諾書や注意事項の内容を理解せずに施術し、ホワイトニングに対して事前の知識が不足していたことが挙げられます。時間とお金をかけてホワイトニングの施術をしたにもかかわらず後悔をしないように、施術前と施術後には以下の点を気を付けましょう。
カウンセリングを受けてみよう
ホワイトニングで後悔してしまう方の多くは、カウンセリングでホワイトニングの効果や注意点、気になる点などを歯科衛生士や歯科医師等を通じてちゃんと確認できていない場合もあります。ホワイトニングを行う時には必ず、カウンセリングを受けることがポイントです。カウンセリングで確認する項目は以下のとおりです。
カウンセリング時の確認項目
- 術前に歯科治療が必要なのか
- ホワイトニングの効果について
- 歯が黄色くなった要因の確認
- どのくらいの歯の色合いにするのか
- 現在の歯の色合いのチェック
- ホワイトニング後の注意点について
ホワイトニング後に避けるべき事項
ホワイトニングの術後24時間は、歯の表面を守る為に存在するペリクルが存在しないため、歯に新たな色合いが表れやすくなっています。歯の表面に沈着するとして広く知られるタバコを口にしてしまい、ホワイトニングの術後にもかかわらず、歯が黄色くなってしまう場合もあります。例えば食べ物の場合は、カレー、ミートソース、チョコレート、醤油やソースなどの調味料が挙げられます。飲み物の場合は、コーヒー、紅茶、ワイン、緑茶が挙げられます。以上のものは出来る限り避けましょう。反対に、ホワイトニングの術後24時間に口にすることが望ましい食べ物、飲み物もあります。例えば白米、うどん、牛乳、白ワイン、日本酒が挙げられます。
ホワイトニング後の適切なメンテナンス
ホワイトニングは一度してしまえば半永久的に効果が持続するという訳では無い為、半年に1回程の回数でホワイトニングを行うことが歯を白く保つための秘訣です。また、ホワイトニングで後悔したと感じる人の中には、色の濃い食べ物や飲み物以外にもホワイトニング後の歯磨きがしっかり行われていなかったり、クリーニングを怠っていたりする場合もあります。ホワイトニング後の歯磨きについて、歯科医院で指導を受けることも一つの方法です。
ホワイトニング後の歯磨き
適切な歯磨きが出来ていない場合、汚れが付着したまま定着してしまい、せっかくホワイトニングを行っても、歯が黄色くなってしまう恐れもあります。食事のあとは、直ぐに歯磨きをしましょう。歯を磨くときは、毛先が広がっていない歯ブラシを使用しましょう。歯ブラシの毛先が広がっまま歯を磨くと、正確に歯の表面に歯ブラシを当てることが出来ない為、沈着の原因となる汚れが残り、落としきれない場合もあります。歯磨き粉については、ホワイトニングの効果を継続させるために、研磨剤などが入っていないものを使うことをおすすめします。研磨剤が入っていると歯の表面を傷つけてしまい、そこに色素が残ってしまう場合もあります。ホワイトニング術後の専用の歯磨き粉を扱っている歯科医院も多々あるので、一度相談して見ると良いでしょう。
2023.10.30
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乳歯に対する習慣と今後の可能性
大人になった証として象徴的なものの一つに「乳歯が抜ける」という出来事があります。抜けた歯をどの様に保存するか、子供の乳歯が抜けた時に困っている親御さんもいらっしゃると思います。思い出の出来事としてどの様に扱うのが理想なのでしょうか。今回の記事では、子供の乳歯が抜けてしまう前の事前知識として、乳歯が抜けた時の保存方法や、国内外の乳歯が抜けた時の習慣などをご紹介いたします。
乳歯は何で保存するのがベスト?
現在のお住まいがアパートやマンションなどの場合は、一般的に言われている屋根の上に投げるという行為も出来ない方もいらっしゃると思います。その場合、そのまま乳歯を捨ててしまう方が多いと思います。実は、乳歯を保存したいという方のために、抜けた乳歯を保存する「トゥースケース」と呼ばれるものがあります。多くの歯科医院でも取り扱いがされているので是非ご相談してみて下さい。素材は、プラスチックやフェルトなど色々な種類がありますが、特に防湿効果や抗菌作用にも優れた桐の箱は、日本の天気と相性が大変良いので推奨しています。近頃は、デザイン性にこだわったトゥースケースが歯科医院以外でも販売されていますので、もしかすると一度は目にしたことがあるかもしれません。また、「自分以外の人は、子供の乳歯が抜けた時どのように保管するのだろう?」と調べる方も、インターネットやスマートフォンの広がりによって多くなっている様です。例えば、「トゥースケース」を自作でオリジナリティのあるものを制作し、SNSへ写真を投稿している方も増加傾向の様です。
なぜ乳歯を屋根へ投げるのだろうか
日本では屋根の上へ放り投げる時は下の乳歯が抜けたら、縁の下に投げる時は上の乳歯が抜けたらといった風景が色々な家庭で見られました。これを行う理由は、「放り投げた方向へ次に生えてくる永久歯がきちんと生えるように」という意味が込められています。外国では、様々な国で乳歯が抜けた時の習慣があります。イギリスでは、子供たちは「家に今夜はトゥースフェアリーがやってくる」と乳歯が抜けると嬉しそうにします。トゥースフェアリーの意味は、子供の乳歯が抜けた際に、枕の下に入れて寝るとその抜けた歯を持って帰り、乳歯と引き換えにコインと交換してくれる妖精のことを呼びます。子供たちにとっては乳歯が抜けると小さなご褒美が手に入るという嬉しい出来事になっているのです。各国の習慣は違っていても、乳歯を扱う大切なイベントで、そこに子供たちの色々な思い出を込めるというのは一緒のようです。
歯髄細胞は未来の可能性?
今までご紹介した放り投げたり、ケースにしまって保存するのではない全く違う保存のやり方が歯科の世界で注目されています。それは「抜けてしまった乳歯をどのようにするか?」という疑問の一つの回答になっており、それが「歯髄細胞バンク」と呼ばれるものです。「歯髄細胞バンク」というのは、若く元気な歯髄細胞(しずいさいぼう)という抜けた乳歯の中にある細胞を冷凍で保存し、将来の期待されている再生医療に備えることです。再生医療についてみなさんはどれくらいご存じでしょうか。「iPS細胞」という言葉はニュースを通じて耳にしたことがあるかもしれません。損傷した臓器などを修復することが出来るようになることを再生医療と言い、近い将来、歯髄細胞のような人の細胞を活用した再生医療が医学の主流になるかもしれません。抜けた歯の中にある歯髄細胞はこれから大きな可能性を持っていると言えます。
健康な歯で100年時代を乗り越えよう
歯を健康に保ちながら人生100年時代を過ごすことは思っているよりも大変なことかもしれません。歯髄細胞バンクを通じて自分自身の細胞を保存し、再生医療を受けられる様に準備をすることも選択肢の一つになってくるでしょう。増殖能力が大変高い歯髄細胞は、1本の歯から複数回に亘る治療に必要な幹細胞が手に入ることが報告されています。しかし、歯髄細胞も加齢とともに衰えていく為、年齢が若いうちに保管・採取された元気な歯髄細胞が、より効果的な治療結果をもたらす可能性があります。一度歯髄細胞バンクの活用を検討してみては如何でしょうか。
2023.10.20
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マイクロスコープの活用事例について
1.型取りの活用事例
型取りをして人工物を作り出し、セメントなどで歯に固定することで、虫歯で失った歯の一部を復元する治療法があります。この際に重要なポイントは、歯を綺麗に削り取り、隅々まで型取り、虫歯の再発防止や歯肉炎などを予防する必要があります。マイクロスコープを使用することで、詳細まで作り出すことが難しかった型取りの人工物を、完成度高く作り出すことが出来るようになりました。それにより、長期間に渡って安心感のある人工物をお渡しすることが可能になりました。
2.根管治療の活用事例
マイクロスコープは根管治療で活躍します。根管とは、歯の中にある神経が通っている管のことを指します。もしも根管が虫歯になってしまった場合は、その神経を抜く必要がでてきます。ただし、神経を抜いたからといって虫歯の感染源が取り除かれたとは限りません。根管は大変複雑な構造になっており、目で確認することが出来ません。その為、一般的にはレントゲンを撮影した後に、今まで培った経験を頼りに治療をしていきます。経験のみが頼りの治療では、感染源が全て取り除くことが出来ない場合が発生し、再度治療をする必要が出てきます。それに比べ、現在のマイクスコープを活用すると感染源を綺麗に取り除くことが出来ます。マイクロスコープでは隅々まで根管内の情報を把握することが可能になり、治療の質が劇的に向上いたしました。
3.口腔内の予防にも活躍
マイクロスコープを活用しているのは、歯科医師だけではなく歯科衛生士の方も含まれます。例えば、患者様に対して歯磨きの指導やクリーニングに関する話の場合、歯科衛生士が主体となって説明をします。患者様が自分自身の口腔内の汚れを把握する為に、マイクロスコープとディスプレイを繋げ、現状を知ってもらいながら説明ができます。そのように説明することで、歯科衛生士も患者様も虫歯などを予防することが出来ます。
4.インプラントにおける活用事例
虫歯などで歯が無くなってしまった場合には、インプラントというチタン製の人工歯を骨に直接装着する治療法が普及しています。インプラントという治療法は、アゴの骨の位置や量が正常で、健康的な方は大変おすすめ出来る治療法になります。術後の完成度が高いインプラント治療は様々な技術が用いられています。その為、マイクロスコープのような歯の詳細が分かる方法で正確な処置を行い外見的にも整った歯を完成させることで、患者様が求めているインプラント治療が出来るようになります。
5.歯周病治療の活用事例
マイクロスコープは歯周病の治療にも活用できます。歯周病は歯の周りに歯周ポケットという溝をつくり、歯を安定させている骨を少しずつ溶かしていきます。実はよく聞く歯周病という病気は成人の80パーセントはかかっていると言われており、放置したままにしておくと、将来は歯を多く残せない原因になります。以前は、歯周病の原因が歯石だと言われていましたが、最近になりその原因は複数の歯周病原菌が生み出す「バイオフィルム」という毒素だと判明いたしました。この「バイオフィルム」をしっかりと取り除くことが健康的な歯を保つために必要です。取り除く方法は、物理的に機械を使用して掻き出すことです。薬などを使ってもバイオフィルムが強力に歯に付着して取り除けない為です。そこでマイクロスコープの登場です。マイクロスコープを使用すれば装置を正確に歯周ポケットに入れることができ、バイオフィルムを綺麗に取り除くことが出来るようになりました。歯周病のみならず減少した歯肉に別の箇所の歯肉を移植する技術の向上にも繋がり、歯肉を回復させる手術にも寄与しております。
2023.10.10
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アゴの痛みに対する治療法と自宅予防について
今回の記事では、「顎関節症」というアゴの痛みがある人へ向けて治療方法や自宅予防についてご紹介いたします。
顎関節症が起きる原因は、両方のアゴを活用せず片方のアゴだけで噛む場合や、睡眠中の歯ぎしりや、歯並びから起きる噛み合わせの悪さが挙げられます。
顎関節症を解消する為には、歯科医院で患者様ご自身がどのような癖によって症状を引き起こしてるかを特定し、ケアを進めることが必要です。
アゴの痛みを解消する治療法3選
1.ナイトガードを使用した治療法
食いしばりや歯ぎしりなどが原因で顎関節症を引き起こしている場合は、アゴへの負担を軽くする為にナイトガードを推奨しております。
ナイトガードはシリコン製のマウスピースのことを言い、寝ている間に装着して治療する方法です。
ナイトガードをすることによって、アゴの周りの筋肉への負担を軽くし、顎関節を正しい位置へと誘導します。
また、食いしばりや歯ぎしりは主に就寝中に発生していることが多いため、自分で気づくことが難しい場合もあります。
食いしばりや歯ぎしりは、顎関節症以外にも歯自体に刺激が入り、歯が割れてしまったり、歯が欠けてしまったり、動いてしまったりと他の影響が発生する場合もありますが、ナイトガードによって根本的に保護することが可能です。
2.痛み止めを服用して自然治癒を促す
顎関節症の症状はいくつかあり、例えば、口を開けにくい、アゴで音がなっている気がする、などが挙げられます。しかし、その中でも痛みによって生活に支障をきたしている方は気をつけて下さい。
痛みを感じると、その痛みを抑えようと更に力が顎関節に伝わり、改善が遠のく場合も考えられます。そこでアゴの痛みに対して処方さらた痛み止めを服用することも一つの方法です。
軽めの顎関節症の場合は、薬によって痛みが治っている時に自然治癒力が働くことに加えて、痛みによるストレスも解消されるため、痛み止めの服用によって治る場合も多々あります。
痛み止めによる治療法の注意点は、抜本的な顎関節症の治療法ではなく、症状の進行が進んでいる場合にはこれからご紹介する別の治療法も併せて進めることをお勧め致します。
中には薬局で販売している痛み止めを服用して、痛みを消している方もいらっしゃると思います。その場合、逆に症状を悪化させてしまい、完治が長引く場合もあるので早期の検診をお勧め致します。
3.噛み合わせの悪さを改善する
ごく稀に治療によって装着した被せ物や詰め物で噛み合わせが上手くいかず、それによって顎関節症を引き起こしている場合もあります。
その場合は、歯科医院で被せ物や詰め物を交換し、噛み合わせを調整することで症状を和らげる場合があります。
なお、歯列を正しくすることが顎関節症の改善に繋がる場合は、歯列矯正を推奨する場合もあります。
顎関節症を予防できる10の方法を解説
顎関節症は、患者様の日頃の癖や習慣が原因になることが多いです。
その悪い習慣や癖を防ぐために推奨している10の方法をご紹介いたします。
これらを気をつけることで、顎関節症の予防策になるので実践しましょう。
(1)食事をする時に、片方の顎のみを使用して噛まない
(2)食事は柔らかい食べ物も適度に食べて、硬い物ばかり咀嚼しない
(3)特に仕事中はアゴと肩に受話器を挟んで通話することを控える
(4)横になりながら、本を読んだりテレビを観たりすることを減らす
(5)テレビに集中しながら食事をすることを控える
(6)頬杖をつく癖がある人は意識して減らす
(7)アゴを突き出した姿勢を減らしたり猫背をしない
(8)座っている時に足を組む癖を無くす
(9)寝る時に、高い枕や横向きの姿勢、うつ伏せなどで寝ない
(10)ストレスの解消をこまめにする2023.09.30