誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎は、高齢の方に多くみられる病気のひとつです。
年齢や病気の影響で、飲み込む力(嚥下機能)や、むせたときに異物を外へ出す力(咳反射)が弱くなると、食べ物や唾液が誤って気管や肺に入り込み、炎症を起こしてしまいます。

「最近むせることが増えた」「食事中によく咳き込む」
こうした変化は、誤嚥性肺炎のリスクが高まっているサインかもしれません。

実は誤嚥性肺炎は、日々の口腔ケアによって予防が期待できる病気でもあります。ここでは、原因と今日からできる対策についてわかりやすくご紹介します。

 

誤嚥性肺炎の原因

誤嚥性肺炎は、食べ物・飲み物・唾液などが誤って肺に入り、そこに含まれる細菌が増殖することで発症します。
加齢や脳血管疾患などにより嚥下機能が低下すると誤嚥が起こりやすく、特に要介護の方や寝たきりの方は注意が必要です。

また、お口の中が不衛生な状態だと、誤嚥した際に肺へ入り込む細菌の量も増えてしまいます。
そのため誤嚥性肺炎は、口腔内の環境と深く関係している病気なのです。

 

 

放置するとどうなる?

初期症状は、発熱・せき・痰など、風邪に似た症状から始まることが多くあります。
しかし重症化すると呼吸が苦しくなり、命に関わるケースもあります。

また、一度治っても再発しやすいのが誤嚥性肺炎の特徴です。
高齢者の肺炎による死亡原因の多くが誤嚥性肺炎ともいわれており、「ただのむせ」と軽く考えず、早めの予防と対策が大切です。

 

口腔ケアが予防に果たす役割

誤嚥性肺炎予防の基本は、口の中を清潔に保つことです。
歯や舌、入れ歯に付着した細菌を減らすことで、万が一誤嚥が起こっても感染のリスクを大きく下げることができます。

歯みがきやうがいに加え、唾液の分泌を促すケアも重要です。
唾液には、お口の中を洗い流し、細菌の増殖を抑える大切な役割があります。

 

今日からできる口腔ケアのポイント

誤嚥性肺炎予防に効果的な口腔ケアには、次のような方法があります。

 

◇毎食後に歯みがきを行い、歯垢をしっかり除去する

◇歯間ブラシやフロスで歯と歯の間も清潔に保つ

◇舌ブラシで舌の汚れをやさしく落とす

◇唾液腺マッサージで唾液の分泌を促す

◇入れ歯は就寝前に外し、専用洗浄剤で清潔にする

◇定期的に歯科医院で検診と専門的な口腔ケアを受ける

 

無理のない方法を選び、毎日の習慣として続けることが大切です。

 

嚥下機能を保つ生活習慣

口腔ケアとあわせて、嚥下機能を維持・向上させることも予防につながります。
食事は一口ずつよく噛み、ゆっくり時間をかけて食べましょう。「パ・タ・カ・ラ体操」などの口周りの体操も、筋力の維持に効果的です。

また、食後すぐに横にならず、しばらく体を起こして過ごすことや、就寝時に上半身を少し高くすることも誤嚥予防に役立ちます。

 

まとめ

誤嚥性肺炎は、高齢者にとって注意が必要な病気ですが、毎日の口腔ケアによって予防できる可能性があります。
歯みがきや入れ歯の清掃、唾液ケアを習慣にし、嚥下機能を意識した生活を心がけましょう。

「最近むせやすくなった」「口の中が乾きやすい」と感じたら、早めに歯科医院へご相談ください。
日々の小さなケアが、ご本人やご家族の健康を守る大きな力になります。

 

田島デンタルオフィス