歯科の二大疾患といわれる虫歯と歯周病は、症状が出ていない早期の段階で発見すれば、痛みもなく、保険診療で治せるのでお金もかかりません。ところが神経に達した虫歯は、その1本の歯だけではなく、後々ほかの歯にも悪影響を及ぼすリスクが高まります。
また、歯周病は「沈黙の疾患」。症状が出てからでは治すのに根気強い治療が必要となり、それを怠れば歯を失うこともあります。したがって、症状がない段階で、バイオフィルムがたまる3カ月ごとに定期的にメンテナンスすることが、大切な歯を守る一番の近道となるのです。
近年、お口の中の健康が、糖尿病・アルツハイマーなど全身の健康と関連していることがわかっています。年齢を重ねたとき、歯の残存本数が多いほうが、総医療費が少なくて済むというデータも出ています。百年時代ともいわれる長い人生において、ご自分の歯を1本でも多く残すこと。それが、圧倒的にコストパフォーマンスが高いということをご理解ください。